体脂肪を低下させる
血中中性脂肪上昇抑制作用
摂取した脂肪は、膵臓から分泌される消化酵素(リパーゼ)によって分解され、小腸から吸収され血管に入ります。
この為、食後に血中の中性脂肪が一時的に上昇し、その後代謝されます。
しかし、代謝異常等により血中の中性脂肪が高い値を持続すると体脂肪や内臓脂肪が蓄積して肥満の原因になることが知られています。
肥満は心筋梗塞や脳梗塞などの様々な病気の危険因子となります。
ガレート型カテキンで中性脂肪の上昇を抑制
動物実験により、緑茶に多く含まれるエピガロカテキンガレートなどのガレート型カテキンの投与では、血中の中性脂肪の上昇が抑えられることがわかりました(J.Nutr.,135,155,2005.)。
これは、膵臓から分泌されるリパーゼの活性が抑えられて、脂肪の分解が緩やかになったためと考えられます。
体脂肪低下作用
BMIが高めの人に、ガレート型カテキン90%以上の茶カテキン215.3mgを含む飲料を1日2本、食事の際に1本、12週間にわたり毎日飲んでもらったところ、4週目から12週目まで、BMIおよび体重が初期の値および対照群の値に比べて低下しました。
体脂肪や内臓脂肪も12週目に低下しました。
これはガレート型カテキンの作用により、食後の血液中の中性脂肪の上昇が抑えられたことが一つの要因と考えられます。
なお、BMIは体重(kg)÷(身長(cm))2乗で計算される値で、肥満度の指標です。
(参考資料:株式会社伊藤園生産本部 角田隆巳担当部長)
緑茶と体脂肪
- エピガロカテキンガレートなどのガレート型カテキンの投与で、血中の中性脂肪の上昇が抑えられることがわかりました。
- 膵臓から分泌されるリパーゼの活性が抑えられて、脂肪の分解が緩やかになったためと考えられます。
緑茶カテキンと健康効果のまとめ 全10章
- 【1】緑茶は理想的な機能性食品
- お茶の食品としての機能は嗜好面での働き(二次機能)、生理機能の向上、疾病の予防や症状改善などの三次機能に分類されます。
- 【2-1】緑茶の抗がん作用
- 緑茶には健康維持に役立つ様々な成分がありますが、エピガロカテキンガレートと呼ばれるものが抗ガン作用の担い手のようです。
- 【2-2】発がん促進抑制効果
- 緑茶の有効成分は主にカテキン類と考えられています。発がん開始の抑制、発がん促進・進展の抑制、いろいろなメカニズムが明らかにされてきました。
- 【2-3】大腸ポリープの再発予防
- 緑茶を飲んでいる人が大腸ポリープの再発率が低いことがわかりました。一体どの程度摂取しているのでしょうか?
- 【3-1】カテキン作用で体脂肪が減る
- 高濃度の茶カテキンを継続して摂取することによって、日常活動時の脂肪燃焼量や食事から摂った脂肪の燃焼量が増大すること、肝臓や筋肉での脂質代謝が活発になることが確認されています。
- 【3-2】カテキンとカフェインは肥満を抑える
- 緑茶カテキンとカフェインのダブル作用で肥満抑制効果があることが実験で確認されています。
- 【3-4】血圧の上昇を抑える
- 緑茶ポリフェノール自身も活性酸素を除去する働きがありますが、緑茶を飲むと、体内の活性酸素除去酵素が増え、血管拡張が促進される結果、血圧上昇が抑えられると考えられます。
- 【3-5】脳卒中を防ぐ
- 茶カテキンによる脳卒中予防効果・脳障害軽減効果は茶カテキンがもつ、血圧を上昇させるホルモンの生成を抑える作用や、脳卒中が起きた時に生成される活性酸素を除去する作用が関係していると考えられます。
- 【3-6】動脈硬化を予防する
- 緑茶を飲むと、茶カテキンが消化管から吸収されて血中に入り、LDLの酸化が抑えられて、動脈硬化の発症・進展が予防できると考えられます。
- 【3-7】血糖上昇を防ぐ
- 茶カテキンには、糖質の吸収を穏やかにする働きがあります。食品中の糖質は、小腸で消化酵素(α‐グルコシターゼ)によってブドウ糖や果糖などに分解された後、体内に吸収されます。 茶カテキンは、このα-グルコシターゼの活性を抑えることで、体内への糖質の吸収量を減少させ、血糖値を低く抑える働きを持っています。
- 【3-8】糖尿病の予防と改善
- 培養細胞や動物を使った実験により、茶カテキンはアミラーゼ活性の阻害、肝糖新生の抑制、膵細胞の保護、インスリン分泌の促進、筋肉へのブドウ糖取り込みの促進、抗炎症作用など実にいろいろの作用を通して抗糖尿病作用をあらわすことがわかってきました。
- 【4-1】ウイルス感染を防ぐ
- 緑茶にはインフルエンザウイルスや風の原因となるウイルスを無効化する成分のエピガロカテキンガレートやストリクチニンという成分が含まれています。
- 【4-2】緑茶カテキンとインフルエンザ
- 緑茶カテキン抽出物でうがいをした結果、水のうがいと比べてインフルエンザの発症が減少したという報告があります。
- 【5-1】エピガロカテキンが粘膜免疫系強化
- 緑茶カテキンの中のエピガロカテキン(EGC)という成分は、粘膜免疫系を活性化して病原体の侵入を防ぎます。
- 【5-2】花粉症やアレルギーに効果
- ガレート型カテキンのガレートの一部がメチルエーテル化された茶カテキンのメチル化カテキンは抗アレルギー作用を発揮することが分かっています。
- 【6-1】アンチエイジングと美容効果
- 緑茶には茶カテキンと美容効果に優れ、皮膚や血管の老化を防ぐビタミンとして知られるビタミンCを始め美容に効果のある成分がたっぷり含まれています。
- 【6-2】認知症予防と抗ストレス作用
- 緑茶にはカテキンとテアニンと呼ばれる成分が脳の老化を防止することが分かってきました。テアニンには抗ストレス効果もあることがわかってきています。
- 【7-1】ストレス緩和効果
- 緑茶のストレス緩和効果にはカテキンとテアニンが作用していると考えられます。テアニンの抗ストレス作用は注目です。
- 【7-2】酸化ストレスを防ぐ
- ビタミンCは、コラーゲンの生成に不可欠の栄養素であり、たんぱく質や脂質、炭水化物、さらにはDNA(核酸)の過酸化を防ぎます。茶カテキンのエピガロカテキンガレートのビタミンCを上回ります。
- 【8-1】緑茶抽出液に放射線防護効果
- 緑茶抽出液に放射線防護効果があることが報告されています。 茶カテキンなどの緑茶に含まれる成分が、ラジカル種を消去し、様々な障害を取り除きます。
- 【9-1】殺菌作用と食中毒予防
- 強力な茶カテキン「エピガロカテキンガレー」が食中毒原因菌を殺菌し、解毒作用を発揮します。
- 【9-2】虫歯予防と口臭予防効果
- 茶カテキンが虫歯を予防、口腔衛生を保ち、口臭も予防します。茶カテキンは様々な甘いお菓子や歯磨き、赤ちゃん用ウェットティッシュに利用されています。
- 【10】大規模栄養疫学調査「掛川スタディ」について
- 静岡県総合保健センターが発表した自治体別の統計によると、脳梗塞・脳内出血・虚血性心疾患などの5項目において、掛川市はどの項目についても県平均より患者数が少なく、健康指標に優れた地域であることがわかります。